英語上達完全マップ

トップページ
はじめに
英語のテスト 特にTOEICについて
英語は日本で上達する
英語力を解剖する
英語トレーニング法
音読パッケージ
瞬間英作文
文法
精読
多読(速読)
語彙増強=ボキャビル
リスニング
会話
トレーニングの進め方
標準ケース
実例ケース
目的・タイプ別ケース
トレーニングを継続するために
おすすめ教材集
アドバイス集
Q&A
教室案内
リンク
トップページ
 

 ランキング



文法の必要性


私は、外国語として英語を身につける場合、学習効率の点から文法の学習は必要だと思います。我々は文法に則って、言語を使用します。「いや、そんなことはない。俺は日本語を話す時に文法のことなんか考えちゃいない。第一、文法なんてきちんと勉強したことなんてないぞ」と反論する方はいるかもしれませんが、その反論自体は非常に文法にかなったものなのです。決して、「ないことそんな。俺から時日本語話すない考え文法。」などとは言わないものです。

このように、我々は文法を意識的に学ぶこともなく、文法どおりに母国語を操る術を身につけてしまいます。これは、英語のネィティブ・スピーカーも同じで、教室で現在完了や仮定法を習わなくても、これらの文法ルールを使いこなすことができます。つまり、文法用語や文法的な客観的分析方法を知らないだけで、文法そのものは身についてしまっているのです。

次に起こる議論は「それならば、母国語を覚えるように自然に覚えてしまえばいいではないか。」というものです。そうしたことが本当に可能ならば、私も大賛成です。しかし、人間が母国語を習得するメカニズムは実に神秘的なものです。このメカニズムの完全な解明は、言語学のみならず、教育心理学、認知心理学、大脳生理学、進化学などの叡智を結集して取り組む課題でしょう。人が母国語を習得するメカニズムが完全に解明され、外国語に対してもそっくり再現可能になった時、我々は忍耐と時間とを要する英語の学習から開放されるでしょう。

言語学上の歴史的ブレークスルーが訪れるまで、英語を習得するのを待てないのならば、やはり文法を学習するのが得策です。文法をまったく勉強せずに英語を学習することはほとんどの場合非常に非効率的なものです。私自身も枚挙に暇がないほど実例を見てきました。

何年か前、英語を勉強している人から相談を受けたことがあります。英会話学校に一年半ほど通っているのだが、進歩が見られない。学校の授業でうんざりしているので文法の勉強は絶対にしたくない。何か言い方法はないか、というものでした。よくあるケースなのですが、私はまず簡単な英作文をしてくれないかと言い、次の文を与えました。「このりんごはあのりんごと同じくらいの大きさです。」彼女が窮してしまったので、「as〜asを使ってみましょうか。」と助け舟を出しました。彼女がつっかえながら作ってくれた英文は次のようなものでした。

This apple as that apple as big.

「残念ながら、」なるべく傷つけないように言葉を選びながら、私は言いました。「正しい英文とは言えませんね。」それから、あまり刺激しないように、細心の注意を払いながら次のように提案してみました。「おそらく、今のまま会話だけをやっていても、上達することはないでしょう。ここらで、正しい英文の作り方を練習してみる必要があると思うのですが。その、まあ、文法をちょっと・・・」その途端彼女の表情は険しくなりました。私は忌まわしい言葉を口にしてしまったように、口をつぐみました。「文法は絶対にやりたくありません。文法はゼッ・タ・イ・ニ!」彼女は決然と言い放ちました。

私たちの話し合いはそこで決裂しました。文法をまったく勉強せずに英語を上達させることは、少なくとも私の技術では不可能だからです。彼女が帰った後、私は哀れな英文法に同情しました。本当はとっても、助けになる言い奴なのに。最初にちょっととっつきにくいところはあるけれど、知り合いになれば気のいい奴なのに・・・それから、彼女やその他の多くの人にこれほどの文法嫌悪症を植え付ける、学校・受験英語での英文法の扱われ方、教えられ方を思い起こしました。そして私はひとりごちました。「英語学習の中での、正しい位置付けさえちゃんとされれば、本当に身になる教えられ方さえすれば、こんなにも目の敵にされることもなかろうに・・・英文法よ、君も本当に不憫なやつだなあ」

 

 

運用文法を身につけよう


英文法は英語を話す、聴く、読む、書く、のすべてに直接役立ちます。英文法は決して、ホルマリン漬けになって動かない規則の集まりではないのです。しかし、学校や予備校などで英文法が教えられる時、多くの生徒は、断片的な規則の標本を見せられるような気持になるようです。暗い理科室の壁には死んだ蝶たちがピン止めになった標本ケースが、ずらりと並んでいます。かび臭い白衣を纏った講師が、ひとつひとつを指差しながら、鼻髭の下で口をもごもごと動かして、蝶の学名、原産地、羽の紋様などを説明します。あ、後ろの方の生徒はもう深い眠りに落ちています・・・

昆虫学者志望ならいざ知らず、いきなりこんな講義から入る必要はないでしょう。蝶について知りたければ、花咲き乱れる春の野辺に行けばいいのです。そこで舞い飛ぶ蝶たちを追い、帽子の中に捉えてみる。指の先にこのはかない生き物の生命を感じてみるのです。精妙な羽の紋様、そのわななき。美しさとかれんさを十分に鑑賞したら、ピン止めになどせず、再び空に帰してやる。

英文法の学習も同じです。文法学者にでもなるつもりでなければ、ネイティブスピーカーでも知らない例外的規則の収集に必死になることはありません。英語を使うために欠かせない、限られた数の基本的ルールを、しかし、いつも使えるような形で習得するべきです。例えば、次のような問題です。

日本語の意味になるように( )に適語を入れなさい。

彼の息子は5月1日の朝に生まれた。

His son was born ( ) the morning of May 1.

答えは on ですが、大切なことは正解の on だろうと、間違えて in を入れようと、センテンス全体がさっと口から出てくるかどうかです。「え、こんな基本的な問題を間違えていいの?」と言う声が聞こえてきそうです。しかし、センテンス全体がばね仕掛けで出てくる回路さえあれば、正しい文法に修正することは簡単です。

逆に、ネイティブスピーカーでも知らないような、例外的事項にいたるまで文法規則を知り尽くしていても、中学程度の英文が口からばね仕掛けのように出てこないなら、その知識は死んでいます。ちょうど、標本ケースの中でピン止めになった蝶たちのように。もし、こういう状態であるなら、英語を使うための「運用文法」ではなく、「規範文法」の囚人になっているということです。規範文法はこれはこういってはならない、そこにはこういう例外規則を適用しなければならない、などといった禁止条項でいっぱいです。これをしちゃいけない、あれをしちゃいけないといった教えられ方をすると学ぶものは萎縮し、徐々に意欲が薄れていきます。また、規範文法の迷宮に一度足を踏み入れてしまったら、脱出するのは困難です。そこには、数え切れないほどの例外事項、微細な規則が存在し、全部を覚えきることなど到底不可能だからです。

英語を駆使する力を身につけたい方は、基本的なルールを、使えるような形で学んでいきましょう。つまり、「運用文法」を身につけるということです。基本的だが応用自在な「運用文法」を習得してしまってから、必要に応じて、細かなこと、例外的なことを覚えていけばいいのですから。

 

文法学習の進め方



文法学習は短文暗唱=瞬間英作文トレーニングのバリエーション

私は、英文法の学習を、英語を使いこなすための「運用文法」の習得として位置付けています。そこで、自分のメソッドの中では、文法の学習を短文暗唱=瞬間英作文トレーニングの中に組み込んでいます。教材としては、解説が割と詳しいいわゆる「参考書型問題集を使用します。」これを短文暗唱のトレーニングの経過につれ、3ステージに分けて使うのです。

1.中学英語レベルの文型が身についた後、高校入試用文法問題集
2.中学以降のレベルの文型・構文の学習と並行して大学受験用文法問題集
3.必要に応じて、TOEIC,TOEFL用文法問題集

文法の学習を大部な文法書で行うのは非効率的です。文法書にはありとあらゆる知識が網羅されていますから、あくまで参考書として使用するのがいいと思います。また、文法の問題集を使うと、短文暗唱=瞬間英作文とは異なる角度から英語を使う上での重要点に焦点を当てることができます。

短文暗唱=瞬間英作文は、文の瞬間的な立ち上げ能力を最大の目的とするので、同じ文型を連続して暗唱します。そこで、機械的な流れが生じ易くこまかな点が意識の網を通り過ぎてしまうことがままあります。例えば、must とhave toとを別々に連続的に練習していると、次のような問題をぱっと出されると戸惑うこともあります。
問題.日本語の意味に合うように(  )内の正しい語句を選びなさい。

彼女は部屋を掃除する必要はありません。

She (must not, doesn't have to) clean the room.

文法問題集を使うことによりこうした点にしっかりと意識のスポットライトを当てることができるのです。ステージごとにもう少し説明してみましょう。

 


第1ステージ=高校入試問題集

短文暗唱=瞬間英作文、音読パッケージなどで中学英語の文型がほぼ身についた段階でこのレベルの英語の仕上げとして用いるのがいいでしょう。こまかな点など落としていたポイントが拾い上げられ、意外な発見をするでしょう。

私は中学時代、音読パッケージの原型のような学習をしていてかなりいい基礎力がつきつつありましたが、中学3年の時、文法問題集を有効に使う機会に恵まれました。当時、妹が、近所に住む元中学の英語教師の女性に英語を習っていたのですが、母親に「受験だし、おまえも行けば?」と勧められ通い始めたのです。

週一回の授業は、中学全体をカバーする、しかし、薄めの文法問題集を淡々と解いていくというものでした。ただ、決して答えを出すだけでなく、穴埋め問題も、書き換え問題も、すべてセンテンス全体をしっかりと音読する形の授業でした。単調といえば単調なスタイルで、一緒に通い始めた友人はほどなくやめてしまいました。しかし、なにか感ずるものがあった私は、ひとりになっても授業を受け続けました。まあ、先生が美人ということもありましたが。

2ヶ月も通った頃から、私は自分の英語に起こりつつある変化に気づきました。雑然としていた知識に一本軸のようなものが入った感覚です。それまで、勘でこなしていたものもこれはこういうんだ、という確信がもてるようになったのです。実力試験などでも、そこそこわかっているのに取りこぼしが多い弱点がなくなり、英語では常にほぼ満点が取れるようになっていました。しかし、そんなテストの点が上がったなどというつまらないことより、「俺は英語の基本がわかってきたぞ。」という実感が得られたことが最大の収穫でした。このときの学習法が、私のメソッドにおける、文法問題集の使い方のモデルになっています。

 


第2ステージ=大学受験用文法問題集

高校、大学受験レベルの文法はかなり高度になり、かなり英語力のある人(TOEIC700代後半から800台)でも、穴や空白部分がある場合が多いものです。ある項目を薄めの文法参考書でざっと見ておくなどして、その項目について、参考書型問題集でまとめていき、最後に全体をサイクル法で完成させるのが一般的な方法です。また、よほどマニアックに文法を勉強するのでなければ、このステージで2冊ないしは3冊程度の問題集をあげてしまえば、文法のまとまった学習は終了です。本当にこのステージの学習が完成すれば、次の第3ステージは必要がないくらいです。つまり、高校入試用問題集一冊、大学入試用問題集2冊、合わせて3冊で一生英語を使っていくために十分な文法力がついてしまうということです。

私がこのレベルの文法を学んだのは高校3年の12月からです。私は、高校時代一切学科的勉強というものをしていませんでした。ほとんどやらないということではなくて、文字通りゼロでした。教科書はすべて学校に起きっ放しにしていました。私が通った高校は神奈川の学力的にはどうということもない県立高校でした。いわゆる主要5科目はそこそこできた私は、入試テストの総合点は上位でした。一年の一学期に受けた実力テストでは、中学時代の余力で、特に得意の英語や国語は、学年でトップクラスだった記憶があります。しかし、そういった学習態度のため成績はたちまち下落し、卒業時には400数十人中、ビリから数人目という体たらくでした。ただ、本人は、「俺より下の奴って誰なんだ?」と言う風に悪びれる様子もありません。ただ、自己弁護をさせていただくと、無気力な少年だったわけではありません。好きなことを楽しく、懸命にやっていたのです。私が高校時代にやったことは、本を読むこと、詩を書くこと、そして部活動の柔道の3つでした。そしてそれだけで私は手一杯でした。

高3の12月に勉強を始めたものの、甘えた話ですが、現役で合格する気持は無く、はなから一浪する計画だったのです。高校の勉強は全くしていなかった私ですが、英語に関しては中学英語、つまり英語の基本が身についているという自負を持っていました。その基礎力を下支えにして、大学受験レベルの英語も数ヶ月でマスターできる胸算用でした。そんな、甘い話はないだろうと考える人が多いでしょう。中学英語程度の下地で、高校時代に3年もブランクがあって、そんな短期間に大学受験レベルの英語が身につくはずがない、と思うのも無理はありません。結論から、言いましょう。申し訳ありませんが、本当に数ヶ月で大学受験レベルの英語力はクリアしていました。高3の11月頃に受けた大手予備校の模擬試験で、英語の偏差値は40台後半でしたが、翌年の夏明けの同じ予備校の模擬試験では70台の半ばになっていました。自慢話めきますが、私が言いたいのは、中学英語さえ本当に身についていれば英語力は短期間にいくらでも伸びるということです。

この時期に私が学習したのは、英文法と英文解釈=精読です。英文法の学習に使用したのは、灘高校の先生が著した参考書型問題集。それをあげてから、旺文社の「英文法標準問題精講」(原仙作著)。この2冊だけです。この2冊を、次の「文法問題集の使い方の実際」で紹介する方法で完成させたのです。それだけで十分でした。また、私が集中的に文法を(精読もそうなのですが)、学習したのは大学受験期が最初で最後で、その後まとまった形で文法の学習をしたことはありません。そして生来飽きやすく持続性の無い性格のため、受験勉強を真面目にやっていたのは、浪人の夏まででした。その後はまた本を読み出したり、ボクシングやキックボクシングの観戦にうつつをぬかすようになったからです。つまり、私が受験英語をつめて学習していたのはせいぜい7、8ヶ月で、文法に絞れば半年足らずです。その短期間内に必要十分な英文法を身につけたということになります。これは、特殊な例ではなく、さまざまな英語習得本で酷似した体験を聞きます。実際のところ、文法・構文は英語の学習の中でももっとも早く仕上がってしまうもので、中学英語程度の基礎がマスターできていれば、一生英語を使っていくのに必要な英文法の基本は、一年前後で身につけられるはずです。

 


第3ステージ=TOEIC,TOEFL用文法問題集

TOEIC、TOEFLの文法問題は大学受験レベルの文法を終えただけでは太刀打ちできないと訴える人が多いものです。確かに、TOEIC、TOEFLの問題は、これは仮定法の問題だな、これは分詞構文だなとわかるようには鍵となる文法項目が歴然とは示されていません。一つの設問文の中に、三人称3単現のSのようなごく基本的事項から、仮定法過去完了のような難解とされるものまでが、何気なく結合されて使われています。

しかし、実際には大学受験レベルの文法が本当に身に付いていれば、特にこれらのテスト用の文法問題集を解く必要はありません。TOEIC、TOEFLの文法問題を苦手にする人がよく訴える症状は、「どの文も正しく見え、どこに間違えがあるのかわからないし、時間内では問題が解けない」というものです。私はこの「解けない」という表現に違和感を覚えます。文法の問題は数学の問題や、パズルではありません。文法問題は「解く」のではなく「反応」すべきものなのです。

例えば、日本語で、「その庭へたくさん花が咲いています。」というセンテンスを読んだり、聞いたりすれば、即座に違和感を覚え、「その庭には」を間違えたのだなと反応することができるでしょう。英文法を適切な方法で身につければ、英語においても同様な反応をすることができるようになります。問題は、受験英語では出題の仕方、悠長な解答時間のために「解く」方式の学習でもなんとかなってしまうことです。本当の文法力をつける人は実はこの時点で「反応」する能力をつけてしまっています。しかし、問題の簡単さゆえに、受験レベルでは、差が目につきにくいということが、非現実的な文法学習法を見過ごしてしまう一因だと思います。

大学受験レベルまでで、反応できる文法力を身につけ損ね、また、いまさら大学受験用の問題集に戻るのはいやだという人は、中学英語は身についているという条件で、どうぞTOEICやTOEFL用の文法問題集を使ってください。ただ、次項「文法問題集の使い方の実際」で紹介する方法を採用してください。

私は大学受験を終えて6、7年後、TOEFLを受験する前に、TOEFL用問題集を購入してみました。TOEFLの文法問題は実戦的で、大学受験レベルの文法力では太刀打ちできないという風評を聞いていたからです。ところが、実際に問題に当たってみると、どうということはありませんでした。これなら特別勉強する必要も無いなと、その問題集をやるのはやめてしまいました。本番のテストでも上出来でした。もっとも私はマニアックに文法(まあ、なんでもそうなのですが)をやるタイプではないので、微細な文法は知りません。’97年にTOEICを受験した際にも985点で、満点は取り損ねたのですが、文法問題を1問か2問落としたのだと思います。しかし、文法をやり直そうという気にはなりませんでした。また、自分の教室の授業で使おうと、旺文社の「精選英文法・語法問題演習(シリウス)」を買い、まず自分で解いてみた際も、全部で1,000題くらいのうち30問ほど間違えました。たいしたことないでしょう?それでも、英語を使う上で文法力の不足は特に感じないし、TOEICでも満点近くが出るものなのです。まあ、気楽に構えて下さい。

 

 

文法問題集の使い方の実際


基本レベルの大学受験用問題集を例にとり、文法問題集の使い方を実際に見てみましょう。
仮定法の章を開くと次のような問題が並んでいます。問題はすべて穴埋め式です。


 
1.

If it (  )now, we would play catch.
a. does not rain b. were not raining c. had not rained d. would not have rained

 
2.
I did not know her phone number. If I had known it, I (  ) her.
a. would have called  b. will call  c. had called  d. would called
 
3.
When a pretty American girl spoke to him, he wished he (  )English.
a. is able to speak b. could have spoken c. can speak d. could speak
 
4.
(  ) he studied harder then, he would not have failed in the exam.
a. If b. Had c. Were to d. Has
 


1
考え込まず、わからなければすぐに解答・解説を見て理解・納得する

文法問題にあたるとき長考するのは止めましょう。数学の問題やパズルではないのですから。わかるのだけど語句の結合などに手間取っているならともかく、さっぱりわからないときには、考えるだけ無駄です。新しい文法ルールを考え出そうとしても、現在使われている英語を覚えるという目的のためには役立ちません。いずれにしても、1問あたりせいぜい、10秒前後というところで切り上げ、解答を見て答えあわせをして、しっかりと理解・納得してください。例えば、1. の答えはb. ですが、それだけを確認して、淡白にすっと次に進まないで下さい。

解説を読み、この文は、「今、雨が降っていなければ、キャッチボールをするのになあ。」という意味の現在の事実に反する思いを述べていることを理解します。その場合、if 節内では動詞・助動詞の過去形を用います。また、進行形を使っていて、そのときの be動詞が主語が単数のitにも関わらず原則通り were になっていることも見落としません。このように、問題解きには時間を掛けず、しかし理解・納得は丁寧に行います。

2
焦点となる文法的ポイントをセンテンスごと刷り込む

1. の解説を読み、理解・納得する作業は学校英語・受験英語の学習でも、きちんとした勉強をする人はほとんどやっているでしょう。しかし、この2. の作業は見過ごされている場合がほとんどです。理解・納得した後で、必ず知識を肉体化するステップを忘れないで下さい。

理解したら、そのまま次の問題に進まずに、必ず、設問のセンテンスを文法ポイントに注意を払いながら数回音読をした後で暗唱します。

次のように行います。

例えば、設問2. の(  )に入る語句は would have called ですが、解説を読み、「過去の事実に反することを言う場合、主節では、助動詞の過去形+have+過去分詞用いる」というルールを頭でよく理解しただけでは不十分です。もちろんそれは必要なステップですが、文法をマスターするための第一段階に過ぎないからです。これだけで済ます学習を続けていても、問題を、時間をかけて解くことはできるようになりますが、TOEICやTOEFLのようなスピードを要するテストには歯が立たないし、なにより文法を使いこなせるようにはならないのです。

設問2. については、理解した後、助動詞+have+過去分詞のルールに則った、(  )内の would have called に注意しながら、まず、テキスト見ながらセンテンスごと音読します。文法ルールだけを覚えさえすればいいと断片的語句だけを口にするのではなく、ポイントになる文法ルールを含んだセンテンスそのものを唱えることが、使える英語を身につける最良の方法なのです。

センテンスが口になじんだら、テキストから目を上げて暗唱してください。よく理解しながら、「あー、電話番号知ってたら電話したのに(ちくしょー、あたらチャンスを逃がした)」というように発話実感を込めて1、2回言えたらそれで結構です。短文暗唱=瞬間英作文と同じ方法ですね。私が文法の学習を、短文暗唱=瞬間英作文のラインに組み込んでいるゆえんです。また、この時センテンスをぶつぶついいながら書いてみることもお薦めします(特に第1サイクルでは)。書くことは刷り込み効果を深めてくれます。私は受験期には1センテンスを3、4回紙に書きつけ、非常に効果がありました。

1. 2. の両ステップを踏んでも、無駄に長考をしませんから、1問あたりの時間は大してかかりません。このようにして、問題を消化して行き問題集全体を一回終えてしまいます。

3
サイクルを回す

問題集を一通り解いただけで終わりにしてしまう人も多いものです。2. の口に落ち着ける作業も行わず、さらに一回りだけで終了してしまうなら、何十冊の問題集を解こうと文法が本当に身につくことはないでしょう。食べ物を一回だけ噛んで、吐き出しているようなものだからです。

さて、我々は第2サイクルにかかるとしましょう。同じ要領で、1.問題をスピーディーに解き、理解・納得し、2.センテンスごと声を出して刷り込む作業を繰り返してください。第1サイクルよりはるかに速く進むでしょう。第2サイクルが終われば第3サイクル。続いて第4、第5サイクル。5回目のサイクルともなると所要時間は第1サイクルの十分の1程度になっています。もう瞬間的に答えが出るようになっているでしょう。センテンスも簡単に暗唱できます。こうなれば、その問題集はあがりです。

次に2冊目の問題集にかかります。もう、第1サイクルからスピードが違います。問題の正解率は90パーセント前後でしょう。どんな問題集を使おうと、扱っているのは英文法です。本によって英文法が異なるはずなど無いからです。サイクル回しもあっという間に終わります。3冊目?果たしてやる必要があるでしょうか?

私自身は2冊の問題集で終わりにしました。一冊目を4ヶ月ほどかけてマスターし、2冊目は一ヶ月ほどだったと思います。3冊目はやる必要が無いというのが感覚的にわかりました。どんな文法問題集だろうと即座に答が出たし、何よりも、文法が感覚的に身についたという実感を得たのです。

具体的に言えば、例えば「あの時〜ならば、〜したのになあ」という文を考えれば、if 節の過去完了、主節の would+have+過去分詞の3点セットがさっと口に出てくるようになっていました。また、文法的におかしい文を見たり、聞いたりすれば、違和感を覚える体質もできあがっていました。もちろん、私が知らない珍奇な知識や重箱の隅をつつくような規則がうんとあることはわかっていました。しかし、私はもとより完主義からは程遠い人間です。「だから何?」という感じでした。

この時を限りに、現在に至るまで、私は腰を据えた文法の勉強をしたことはありません。大学受験レベルの文法の学習を開始したのが高3の12月、翌年の6月前には終了。方法さえ誤らなければ一生英語を使っていくための英文法の基礎は半年足らずでマスターできるのです。

 

 

上達過程における適用


短文暗唱、音読パッケージなどで中学レベルの英語がだいたい身についた段階で、第1ステージとして高校入試用文法問題集を一冊やります。ただ、比較的力のある人はこの第1ステージは省いてしまってもいいでしょう。

中学英語をマスターした時点で、第2ステージとして大学受験英語用問題集を2、3冊やります。この段階を終了してしまえば文法のまとまった学習は終わりです。

文法に弱点があり、第2ステージで取りこぼしがあった人は、第3ステージとしてTOEIC、TOEFL用文法問題集を2、3冊仕上げるといいでしょう。いずれにしても、文法の学習は英語学習の中でももっとも早期に終わってしまいます。

 

 
TOPに戻る